タイトル:経済評論家の父から息子への手紙: お金と人生と幸せについて
著者:山崎元
*著者山崎さんのご冥福をお祈りいたします。最後にすばらしい作品を届けていただいたと思います。
文字サイズが大きいので、厚みの割に一気に2時間程度で読み切った。
読み終わった後で自問自答をしばらく続けてしまうくらい、分量に対して密度が高い良著。適切なタイミングにいる人がいれば是非進めたい。
下記いろいろ感想はあるけれど、あくまでこの本は18歳の息子に向かって書かれたものという前提で捉えたい。働き方・資産の増やし方は、その人がおかれている状況(年齢・手持ちの資産・職業など)に左右され、絶対的な正しい方法はないと自分は考えているけど、この本が想定しているタイミングでベストな動き方はできなかった。その点は自分のレベルの低さを認めないといけない。ただ、自分なりに右往左往しながら挑戦して、40台前半で今の状態にいることを、もう少し自分で肯定してあげないといけないな。そうじゃないと当時の判断を後悔してまう。
働き方について:
・株式性の報酬(ストックオプション等)も求めるとよい
・自分の不利を認めることは時に精神的に難しい。
今のところ、不利な条件で働いているなぁと実感。
最近もやもやしていることの正体の一部はこれかも。
稼ぎ方の戦略:
・ねらい筋B(サラリーマンが個人投資家としての成功を求める行為)は、リスクをとる勇気がない/出ないときに、せめて自分の金融資産にリスクをとらせる「臆病な」選択肢だ。
→ズバリと図星すぎて、この筋にいる自分にはちょっと頭に来る位だな。
一回サラリーマンになって生活が複雑になると、そこから抜け出すのは至難の業だ。
常々思っているけれど、サラリーマン生活から得られる安定には一定の価値があり、そうとうな金融資産が手に入らない限りそこから卒業できないのであれば、後は投資することでそれを目指すしかないと思っている。
・お金の運用の基本
1:生活費の3-6ヶ月分を銀行口座に入れる
2:運用資金は全額「全世界株式のインデックスファンド」へ入れる
3:運用資金に回せるものがあれば、同じものへ追加投資する
4:お金が必要になったら、必要になった分だけ取り崩す
→これだけ。非常に極論だけど、これから20代を迎える人に対するアドバイスとしては理にはかなっている。もう自分には無理なリスクの取り方だけれど。子供という究極のリスク資産かつ投資対象があると、金融資産をフルに市場リスクにさらすという方法が採れなくなる。それはこの本を誰かに勧めるときに言わなければいけないだろう。インデックスファンドはじめとした株式資産の組み入れ比率は、年齢とともに下げていくのが得策なのではなかろうか。
・28歳、35歳、45歳
ビジネスパーソンの能力上の全盛期は30代前半だ。
→これは自分の実感とも合致している。体力・経験・機会・勢いなど、ビジネス拡大に必要な要素がおよそよいバランスに存在している時期。ビジネスマンとアスリートには共通している部分が結構あると思うけど、全盛期が意外と早く到来するというのも同じだ。40代中盤にさしかかる自分は、これから次のキャリアも視野にいれて動くべきなのだろう。どうしたものか。じっくり考えていかないと。